• 取材した農家の方々

  • 千筋みずなの森田登代子さん

    青々と茂る「千筋みずな」を大切に栽培されている、森田登代子さん。市場や直売店に出荷せず、近所の方や知り合いに渡したりと自家用として栽培されています。

    畑作業は全部1人で

    実は、森田登代子さんは、私の祖母でもあります。祖母は、千筋みずなの他にも大根や白菜、ねぎも栽培しています。千筋みずなも含め、種蒔きから収穫までの全ての作業を1人でしています。春から秋にかけては田んぼをしながら畑の作業もこなし、冬も、冷え込む早朝からも自転車で畑に赴き野菜の世話をしています。そんな祖母が作る千筋みずなは愛情たっぷりで、もさもさと畑で白菜よりでかく育ちます。さすが「千筋」です。祖母も「しゃきしゃきとしておいしい。」と語っています。

    夏には黄金まくわも

    お恥ずかしい話ですが、私は最近になって千筋みずなが「大和野菜」であることを知りました。昔から祖母はこの千筋みずなを作っていましたが、親しみのある野菜が大和野菜として注目されることにどこかうれしさを感じました。また、夏には、黄金まくわも栽培しています。私の実家では、夏はデザートとしてすいかと黄金まくわを堪能します。私は小さい頃からその味を楽しんでいました。畑の様子も何度も見たことがありますが、緑のつるや葉っぱが生い茂る中に黄色い果実が顔を出しているたり、深い紫色のなずび、赤い唐辛子など他の野菜もすくすくと生い茂っており、祖母の作る畑は彩り豊かで、作品のように感じます。写真はその畑です。10年程前に畑の横に高速道路が建設され、周りの環境は変わりつつありますが、祖母が作る野菜は昔から味を変えずに今も大切に育てられています。

    野菜作りは趣味

    奈良盆地のおおよそ真ん中に位置する、ここ田原本町はイチゴの生産が有名な土地です。私の祖母も20年ほど前は、イチゴを栽培しており市場に出荷もしていましたが、現在はイチゴ栽培をやめ、自給自足の為だけの野菜作りになっています。千筋みずなも家族とで食べたり、親戚の方に分けるぐらいで、出荷はしていません。祖母は、趣味として野菜作りを続けています。なので、日々のんびりと野菜の世話をしています。実はこれが良い運動となり、元気を保つ秘訣になっているのでしょう。

    何往復もすることも

    祖母の畑は、家から自転車で3分もかからない場所にありますが、一日に何往復もすることもあります。千筋みずなは、特に大きな野菜ですので、1つだけでも自転車のかご一杯になってしまいます。ですので、自転車の後ろに大きめのかごをひもで固定し、それに野菜を入れ運ぶこともあります。年中野菜作りに取り組む私の祖母。結崎ネブカの取材に行ったことを最近話したところ、気になって種を購入し、早速植えてみたそうです。趣味でありながらも、どんどん挑戦をする祖母に尊敬します。