あかねを育てて40年
この「片平」という土地に嫁いできてから、40年間も片平あかねを栽培されている南出さん。昔は、片平あかねは日野菜と呼ばれていましたが、この土地ではそれを栽培することが風習だったそうで、この土地に住むことになってから必然的に栽培に取り組むようになったそうです。南出さんの畑は、険しい山道を登ったところにありました。急傾斜の道をせっせと上られて、あかねの栽培に取り組まれる元気な姿に、どこかたくましさを感じました。
この「片平」という土地に嫁いできてから、40年間も片平あかねを栽培されている南出さん。昔は、片平あかねは日野菜と呼ばれていましたが、この土地ではそれを栽培することが風習だったそうで、この土地に住むことになってから必然的に栽培に取り組むようになったそうです。南出さんの畑は、険しい山道を登ったところにありました。急傾斜の道をせっせと上られて、あかねの栽培に取り組まれる元気な姿に、どこかたくましさを感じました。
畑から顔を出している片平あかね。育ち始めの片平あかねはの茎は緑色をしていますが、寒い時期になると、実のように茎も段々と真っ赤に染まってきます。除草も特に行わないそうで、畑一面に生える草の緑色の中に深紅に輝く片平あかねの姿はどこか不思議な光景に感じてしまいます。
伝統野菜の多くは、特有の気候、土壌などの環境が関係する為、栽培には手間がかかることが多いです。しかし片平あかねは、さほど手間がかからないそうです。この「片平」という集落一帯で片平あかねは栽培されていますが、育て方は各家庭によって異なるそうです。南出さんは、自分の感覚で、水やりのタイミングなどを見計らい栽培をされています。 そのため、特別に手間がかかると感じないそうです。また、市場に野菜を出荷されていますが、それは基本的に“趣味”として栽培されているそうです。しかし、山の中ということもあり、イノシシが畑を荒らさないように柵をしっかりと立てることは、さすがに大変だったそうです。
イノシシや鹿は頻繁に出没するらしいです。夜になると毎日のように山の中から現れ、時には畑を荒らされることもあるそうです。その為、この地域では全ての畑に竹や鉄製の柵が立てられ、野生の動物が入れないようにされています。南出さんの畑も、竹の柵が畑のまわりにずらっと立てられており、また、鹿がその柵を飛び越えないように、奇抜な色の頑丈なワイヤーも張りめぐらされていました。 イノシシは片平あかねをかじりに来るのではなく、畑にいるミミズを食べにくるそうです。過去に南出さんは畑を荒らされ、育てていた野菜が全滅したことがあるそうです。その為、イノシシに畑を荒らされないように気を使うと、話されていました。